梅雨を香りで楽しむ ── 六月のマシャール

五月最後の木曜日、夕方。
いかがお過ごしでしょうか。

先週のメルマガでは、本場のチャーエの作法と
「一杯のために時間をとる」という日常のお話をさせていただきました。

今日はそこから少しだけ先回りして、まもなく訪れる六月──梅雨のマシャールの楽しみ方について、お話しさせてください。

雨の日にこそ、香りは深まる

雨が降ると、街の空気はしっとりと湿り、土や木の匂いが立ちのぼってきます。
散歩のあいだに、ふだんは気づかない香りに足を止めた経験のある方も多いのではないでしょうか。

これは気のせいではありません。
湿度が高い日は、空気中の水分が香りの分子をやさしく抱き、ゆっくりと運んでいく。
乾いた日のように一瞬で抜けていく香りが、雨の日には少し長く、深く、私たちのまわりにとどまる──そういう空気のなかにいるのです。

スパイスもまた、そんな日に本領を発揮します。

カルダモンの清涼感、クローブのほの甘い深み、シナモンのまろやかさ、サフランの花のような気品。
それぞれの香りが、湿った空気のなかでひと呼吸ぶん長く、ひと呼吸ぶん深く感じられる。

梅雨の食卓には、本来そうした「香りを長く楽しむ」愉しみが宿っているのです。

六月、マシャールの厨房で立ちのぼる香り

六月のマシャールでも、いくつもの香りが、湿った空気のなかにゆっくりと立ちのぼります。

タンドール窯から漂う、スパイスとヨーグルトに包まれたお肉の香ばしさ。
鍋でじっくり煮込まれていくカレーの、複雑に重なり合う深い香り。
炊き上がったばかりのビリヤーニーの蓋を開けた瞬間、サフランとホールスパイスがひと部屋を満たす一瞬。
ペシャワーリー・ナーンを割ったときに立ちのぼる、カシューナッツとカルダモンの甘いひと息。
そしてコースの最後に運ばれてくる、マサーラーチャーエの湯気──。

雨音と湯気と香り。
窓の外の景色がぼんやり煙る梅雨どきだからこそ、ゆっくりと味わっていただきたい食卓です。

六月の食卓へ

マシャールには、ふたつのコースのご用意がございます。

「インド宮廷料理コース」(4,650円)
ムリガトワニースープから、サラダ、タンドール料理の盛合せ、お好みのカレー2種とお好みのナーンまたはライス、最後にインドスイーツとチャーエまたはコーヒー。
宮廷料理の全体像を、ひと続きの香りでお辿りいただける構成です。

「ダムビリヤーニーコース」(5,950円)
お一人分のSサイズのダムビリヤーニーを主役に、サフランとホールスパイスの香りをじっくり堪能していただくための一夜。
チキン・マトン・野菜からお選びいただけます。

どちらもおひとり様からご利用いただけます。
辛くないカレーから本格的なスパイスのきいたものまで、複数の種類のカレーをご用意しておりますので、お好みに合わせてお選びください。

マシャールは全料理がハラールです。
ベジタリアンの方にもご対応しておりますので、ご予約の際にお気軽にお伝えください。

雨を口実に、ゆっくりと

六月は、街の予定がふっと空きやすい月でもあります。
雨を理由に出かけそびれそうな夕方こそ、傘をひらいてマシャールの扉までいらしてみませんか。

店内に一歩入れば、雨音は遠くなり、スパイスの香りと湯気だけが残ります。
そこに、ゆっくりと時間を流し込んでいただける一夜が待っています。

ご予約をおすすめいたします。
平日のディナータイムは比較的お席にゆとりがございます。

スタッフ一同、皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

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