インドのホーリー(Holi)祭を解説!カラフルで危険なお祭りに参加できる?

いまや世界で有名なお祭りとなったインドのホーリー祭(Holi Festival)。

だれかれと構わずにカラフルな粉を塗りあったり、色水を掛け合ったりして、「ハッピーホーリー!」と言って賑やかにお祝いをします。

その反面、街中はお酒を飲んで気が大きくなった若者が集って、旅行者が盗難の被害にあってしまったり、子どもや女性が被害に遭うケースもあるなど、危険な面も
そのようなホーリー祭について、実際にインドに住んだ経験のある筆者が解説いたします。

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インド宮廷料理マシャールオーナー
アリ 三貴子

1994年~インドと日本を行き来し、1999年~2001年フセインシェフの故郷の農村に長期滞在し、女性たちの暮らしを撮影する。
2005年「ムスリムの女たちのインド」(木犀社)出版。その後、インド文化の講演活動やインド家庭料理教室主催。

1:ホーリー祭とはどんなお祭り?

ホーリー祭(Holi)とは、ヒンドゥー教の春のお祭りのことです。

もともと豊作祈願の祭りだったものが、その後、クリシュナ伝説などの各地の悪魔払いの伝説などが混ざって、現在みられる形になったと言われています。

ホーリー祭の象徴である色粉や色水を掛け合う習慣は、カシミール地方の伝承でホーリー祭のときに、人家に押し入ってくる悪鬼ビシャーチャを追い払うため泥や汚物を投げつけたのが始まりとされています。

そのため黄色は尿、赤は血、緑は田畑を象徴していると言われています。

2:カラフルな粉はどんな粉?

現在使用されている色粉や色粉を溶いた色水は化学製品ですが、元々は天然の花や植物から色素を取り出したものを使っていました。

季節の変わり目である春の季節は、発熱や風邪を引き起こすと考えられていて、伝統的な医療であるアーユルヴェーダの医師たちが推奨する天然の医薬用のハーブから抽出する色粉をまくことは、病の予防や治療の意味も込められていたようです。

また、現在の化学色粉は、肌荒れやかぶれの原因にもなっていて、ホーリー後たびたび問題になっていますので、注意が必要です。

安い色粉は肌荒れや蕁麻疹の原因となり危険とされているため、ある程度の価格の色粉を買うようにすすめられています。
ですが、通りでかけられた色粉や色水が安全かどうかは判断が難しので、みんな肌に直接かけられないように注意したり、ホーリー期間中は外へ出ないようにする家族もいます。

そのような理由で、特に女の子や子どもは危険だからと外に出ないように言う家もあります。

3:実際のホーリー祭の様子

ホーリーの時期は、インド各地でホーリーの祝い方は様々ですが、色粉を使う派手なお祭りなので、ハロウィンのように街中が盛り上がります。

繁華街には色粉や水鉄砲(主に子供が使う)を販売する露店が多数出て、色水、色粉を見知らぬ人やカースト身分も超えて誰にかけても良い無礼講の時期になります。
また、ヒンドゥー教では禁止されているお酒もこの時期には解禁されるため、盛り上がり方はもの凄いものがあります。

反対に、色水や色粉をかけられるのを嫌う人たちも多いので、街へ出てホーリーを祝う代わりに、庭や屋上に家族や身内だけで集まり、ホーリーを祝う様子もよく見られます。

大人も子どもも、屋上やお庭で水鉄砲や水風船を使って楽しそうに色水をかけあったり、安全で自然な色粉をちょっとずつ顔に塗ったりと、微笑ましい光景があちらこちらで見られます。

4:ホーリー祭に参加する方法

4-1:いつどこで開催される?

ホーリー祭は、インド各地で開催されますが、バラナシが有名です。

時期については、インド歴第11月の満月の日(太陽暦では3月に当たる)から始まり、2日間に渡って行われます。
祭りの1日目をホーリー、2日目はドゥルヘンディと呼ばれていて、毎年3月の満月に当たる日は異なるので、西暦で決まった日にホーリーが行われる訳ではありません。

参加したい方は、その年のヒンドゥー歴カレンダーでチェックしましょう。

また、インド各地の市場や商店街では、ホーリー2週間くらい前から、色粉やプラスチックの水鉄砲、大小さまざまなバケツ、水風船が売られはじめ、子どもたちも、大人たちもホーリーの準備をはじめます。
街中ではホーリーの数日前からは大々的に色粉の掛け合いがはじまり、通りでバケツや水鉄砲で水をかけられるのは当たり前の時期に入ります。

4-2:必需品と注意点

ホーリー祭に参加しようと思っている方の必需品は、

  • 汚れてもよい服
  • ゴーグル

です。

先にも述べましたが、化学製品の粉が使用されていることがあるため、「服の汚れは落ちない」「目に入ると危険」と認識しておきましょう。
また、注意点としては、暴力行為や身ぐるみを剝がされるなどの危険がありますので、必ず複数人で参加するようにしましょう。

5:ホーリー祭に参加した感想

当店オーナーのフセインシェフの故郷のUP州の村では、ホーリーの1週間くらい前から要注意な日々がはじまります。
外出先で、突然バケツで水をかけられたり、色水をかけたれたりするためです。
バイクの後ろに乗っていて、突然水が降ってきたこともありました。

ホーリーの時期だと、誰もがそういう目に合うので文句も言えないので、外出を控えるようにしたり、カメラをビニール袋に入れるようにしていました。
村の中では、突然何かをかけられる事はないので、安心でしたが、街や通りへ出ることは怖かった思い出です。

ホーリー1週間くらい前から、いつ色水や色粉をかけられてもいいように、前の年にピンクや紫に染まったシャツを着て出歩く人が多くなり、汚されても悲しくならないように、白い服や新しい服は着ないようになります。
ホーリーの時期の専用Tシャツやランニングシャツを誰もが用意しているのが、村に暮らしていたときの面白い発見でした。

私は肌荒れが怖かったので、色粉を掛け合ったり、色水をかけられたりはしていませんでしたが、街から村に帰ってきた青年たちが、ピンクや紫に染まっている姿を出迎えていました。

私がデリーと村を行き来していた頃は、ヒンドゥー歴を調べて、1週間前からホーリーに怯えて、移動が出来ませんでした。
列車に乗っていても、窓に向かってバケツで水をかけられたり、色粉が降ってきたり、色水が入った水風船が投げ込まれたり、カメラが被害に遭うのでは!と怖かった思い出があります。

窓が全開なので、水も水風船も入り放題なのです。
駅の中や列車の車内も無礼講な雰囲気になり、女性一人の移動は怖く感じることがありました。

なので、ホーリーの2週間前までにはデリーから村へ戻り、ホーリーの間は村から一歩も出ないで過ごしていました。

村の中は、知り合い同士で、配られたお菓子をいただいたり、色水を入れた水風船を投げっこしたりする程度のかわいらしいお祭りでした。
道端や街中の道路に色粉や色水の乾いた跡を残して、ホーリーは終わります。

ホーリーが終わると、北インドに少しずつ乾燥した暑さが迫ってくる感じがして、4月~本格的な暑さが始まりました。

UP州ラクナウ周辺では、春の訪れというより、本格的な夏を感じさせるお祭りがホーリーでした。

6:まとめ

いかがでしたでしょうか?
ホーリー祭は世界的に知られたお祭りです。

日本とは全く異なる文化が少しでも伝われば幸いです。

私たちマシャールは、日本でも味わえる美味しいインド料理を振る舞うレストランを営業しております。
また、みんなでワイワイ楽しめるレッスンイベントも開催しております。

インド料理にご興味のある方はぜひ一度いらしてください。

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