南インドの食卓 ── ドーサとサンバル

新緑が深まる五月、木曜の夕方。
いかがお過ごしでしょうか。

先日のメルマガでは、ムガル帝国の宮廷から受け継がれてきた
「北インド宮廷料理」のお話をさせていただきました。

今日はその「宮廷」の隣にある、もうひとつのインドの食卓のお話を少しだけ。

北の宮廷の隣に、南の家庭がある

インド料理と聞くと、タンドール窯で焼くナーン、深い色のカレー、香り高いビリヤーニー──そんな北の宮廷料理を思い浮かべる方が多いかもしれません。

けれども、インド亜大陸の南半分には、まったく別の食文化が静かに息づいています。

主役は、小麦のナーンではなく、米と豆
火と香辛料の重なりではなく、発酵と素材の組み立て。
祝祭のための一皿ではなく、毎朝の食卓を支える一枚

南インドは「インドの台所」とも言われるほど、家庭料理の層が豊かな土地です。

ドーサ ── 米と豆の、薄く香ばしいクレープ

ドーサは、南インドの朝食を代表する一品です。

米とウラッド豆を水に浸し、ペースト状にしてひと晩発酵させる。
ほのかな酸味を帯びた生地を、熱した鉄板に薄く広げて焼き上げる。
表面はカリッと、内側はもっちりと、紙のように薄く広がる一枚です。

マシャールでは、じゃがいもとお豆の具を巻いた「マサラドーサ」(1,650円)と、
手作りパニールと溶けるチーズの「チーズドーサ」(1,800円)の二種類をご用意しています。

ドーサの発酵について、詳しくは下記の記事でご紹介しています。

【マサラドーサの作り方と食べ方】
https://mashal.jp/blog/how-to-make-masala-dosa/

サンバル ── 豆と野菜の、温かなスープ

ドーサに欠かせない相棒が、サンバル(1,400円)です。

トゥール豆をやわらかく煮込み、トマト・玉ねぎ・人参・大根などの野菜を加え、サンバルパウダーと呼ばれるスパイス調合で香りを立たせる。
タマリンドのほのかな酸味が全体をまとめ、豆のコクと野菜の甘みが層を成す、南インド家庭の定番スープです。

本場の南インドでは、朝はドーサと、昼や夜にはライスと、揚げ豆ドーナツ「ヴァダ」(3個 850円)と──
さまざまな組み合わせで、南の人々の毎日に寄り添ってきました。

なお、マシャールでこれらの南インド料理(マサラドーサ・チーズドーサ・サンバル・ヴァダ)はディナータイムのみのご提供です。

ちぎったドーサをサンバルにくぐらせると、生地が温かなスープを含み、ひと口ごとに違う味わいが立ち上がります。
カリッ、もっちり、じゅわっ──食感が変わる楽しさも、南インドの食卓ならではです。

マシャールで出会う、北と南

マシャールは北インド宮廷料理を主軸としていますが、
南インドの家庭料理も同じ厨房から、同じ手間で仕立てています。

ムガル帝国の宮廷で磨かれた「火と香辛料の芸術」と、南インドの家庭で受け継がれてきた「豆と発酵の知恵」。
このふたつの流れが、ひとつの食卓で出会える場所は、東京都内でもそう多くはありません。

マシャールは全料理がハラールです。
ベジタリアンの方にもご対応しておりますので、ご予約の際にお気軽にお伝えください。

五月の折り返し、平日のディナータイムに、
ちょっと違うインドの食卓を訪れてみませんか。

スタッフ一同、皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

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