甘と辛、宮廷の禁じ手

甘いナーンに辛さを添えて

一日の仕事を終えかけるこの時刻、
ふと甘いものに手が伸びそうになる方も
いらっしゃるかもしれません。

そのひとときの渇きを、もし宮廷の食卓で満たすとしたら。
デザートではなく、一枚のナーンという選択があります。

ペシャワールの風が運ぶ、ナッツの甘み

ベシャワーリー・ナーン。

パキスタン北西部ペシャワール地方に伝わる、
ナッツとドライフルーツ、そしてココナッツを
練り込んだ甘いナーンです。

タンドール窯の高熱で一気に焼き上げられた生地をそっと割ると、
カシューナッツ、アーモンド、レーズンがとろりと姿を見せる。
指先に伝わる生地のしなやかな弾力。
立ちのぼるバターの芳醇な香り。
噛みしめるたびに広がる、穏やかな甘み。

マシャールでは、カシューナッツ、アーモンド、ドライフルーツに、
カルダモンをほんのひとつまみと、
やさしい甘さの砂糖をあわせてミキサーにかけ、
特製のフィリングを一枚ずつ手作りしています。
口当たりはなめらかに、甘みは控えめに。
一枚のナーンに込められた、静かな手仕事です。

それだけでも十分に満ち足りた一皿です。

宮廷が愛した、甘辛の往復

けれど、もうひとつだけ試していただきたい食べ方があります。

辛口のカレーと、合わせてみてください。

甘いナーンを、深い辛みのカレーにそっとつける。
甘みがスパイスの奥行きを引き立て、
辛さが甘みの輪郭をくっきりと浮かび上がらせる。
口の中で味覚が交互に入れ替わるその感覚は、
一度知ってしまうと忘れがたいものです。

あるいは、シークカバーブやチキンティッカといった
スパイシーなタンドール料理を、
甘いナーンにそっと挟んで。
スモーキーな香ばしさとナッツの甘みが折り重なり、
もうひとつの宮廷の顔が立ち現れます。

数十種のスパイスを丁寧に重ねた深い辛さだからこそ、
甘いナーンとの対比が静かに、けれど確かに響き合います。

この一枚が、食卓の景色を変える

ベシャワーリー・ナーン と マトンコールマー/サーグマトンカレー
羊肉の力強い旨みと辛口のスパイスが、
ナッツの香ばしさに深く呼応する、濃密な一口。

ベシャワーリー・ナーン と マトンジャーハンギリーコールマー
クリーミーなカレーと甘いナーンが穏やかに溶け合い、
宮廷の奥座敷のようなまろやかさが広がります。

ベシャワーリー・ナーン と スパイシーチキンカレー/サーグチキンカレー
王道の甘辛。初めての方にも心地よく寄り添う組み合わせです。

いつものナーンに、もう一枚。
その「もう一枚」が、今宵の食卓をそっと塗り替えます。

お好みで、こんな楽しみ方も

ディナータイムには、
シークカバーブ(3本入り)や、
ちょい飲みセット(タンドーリーチキン・シークカバーブ・ミニサラダ+ワンドリンク)に、
単品のペシャワーリーナーンを一枚添えて。
カレーまでは少し重い――そんな夜に、
軽くスパイスを味わう大人の注文です。

ランチタイムには、
Bランチやマシャールランチのナーンを
ペシャワーリーナーンに変更。
セットのシークカバーブやタンドーリーチキンを挟めば、
甘いと辛いがひと皿で出会います。

おひとりでしたら、
ビリヤーニープレートやディナープレートのナーンを
変更するのもおすすめ。

そして――半分は袋に。
翌朝、トースターで軽く温めて、
チャーエやカフェオレ、コーヒーと合わせてみてください。
日本にいながら、ひととき旅先の朝食のような、
穏やかな贅沢が訪れます。

夕暮れの帰り道、宮廷の甘辛に誘われてみてはいかがでしょうか。

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